Rule

▼単発ものです。組み合わせてくださってももちろんOKです、ご自由に

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水彩に生まれなおしたい

恋よりは凍傷
不在証明になるまえに
鏡が生まれた六月

双子座心中
卵生万華鏡
仮定紫陽花

「春がとじてくれたらいいのに」
空の欠片をまばたきと呼ぶ
滲んだ文字もとっくにかわいて

しんじつよりも酷いことば
いつか歌になる
名前を書いたら僕のもの

イカロスへの近道
たぶんこれが将来
はずれてほしい天気予報

糸も青ざめていく
おなじ傷でべつの思い出
ナイフアンドストロベリー

参考文献によるとp
401から
質問には質問で返したいひとですか
わたしが答えたくない方のこたえです

57577回目にやっと正解
冬がずっと残っている
甘かったのは蜜だけ

「ジョーカーにメモるな」
探偵はまだ秘密にかかりきり
クローバー保護法

ゾンビになるならゆるす
刻んでおけばまだ伸びる
おーい、まだ優しいか?

なんにでもなれるのにここでいいの
三叉路の迷子
変身と微熱変換

朝にとけてく選択肢
まだモンブランなのに?
せっかく赤いのに中指なのか

さみしいを可視化する

いつかが昨日になっただけのこと
どうか果実は青いものを選んで
三月の夜にしか降りられない

加護の手だって二本ある
寝言だと言い張ってはみたけれど
軋んでいるだけです綻ぶにはまだ早いので

追えばかならず目が合うところ
指さす先にはいつも可愛いがあるところ
どんなに遅れてもおかえりをくれるところ

いつも一呼吸分だけ間に合わなくて
いずれ片方だけでも離すつもりだから
いまはまだ水は水色のままでいいですか

恋情請負人と孤独代行者
手を貸してくれる模倣犯
疑いますか、愛しますか

融点もまだ輪郭をもっていた日
倫理の先生は否定していた
遠い海の成れの果て

Single

濁らせてはいけない、辿らせてもいけない
喉から吐きだすにはあまりに惜しい
この先は孤独だけが赦される

地平線につづく死の道
25時には赤くなる靴
灰色が写りこむ鏡

うなだれるまでは見つめていた
優しいには条件が足りてない
エンディングが過ぎて翌日

苦いから、を口実に
蛇這う夜に奥を求めて
君のため空席にしてある

涙は真綿で包んで箱のなか
おはようただいまいってらっしゃい
指痕くらいは独占したい

第三楽章で幽霊になるひと
左目のお礼をさせてください
塗りつぶしそこねた楽譜なのに

動機はあります人形なので
めくれども白夜にありき
三つ角に那辺の手引き

淘汰にゆだねた一白を呑む
似色も停まる箱庭で
蕾はひとつまたひとつと鍵盤へ落ちてゆく

まさか薄氷に熱などと
透徹による白藍を繰る
10枚綴りのうちの2

ここが俺の海でいい
熟れることなかれ朧尽き
呼んだらとけてしまう名まえ

宇宙は一箱で充分だって言ったのに
始まりにいちばん近い終点で待つ
隠れたらいいの隠したらいいの
何語で歌えば泣きやみますか
うさぎの跳ねない夜でした
白いからきっとクリーム
月を食べて次も食べて
声も言葉も攫われた
より朝から遠くへ
永遠の藍を誓う

おやすみなさいを言ったきり
水をあげたら咲いてはくれた
上着を脱げば花婿にもなれる

さみしいときのまばたきは2回
殴れるくらいじゃまだたりない
柱時計みたいに律儀に鳴ってる

「見分けなんてついてないと思ってました」
「はじめてでこれですよひどくないですか」
「いいですか1たす1じゃあないんですよ」

遠く遠く遠く遠く、遠くへ
ら、までは言わせたくない
あげたい物と癒えない言葉

毒でも蜜でも滴れば舐めるだけ
どうせ祈るなら罪でも犯そうか
楽園切符じゃ海にはいけないよ

羊水に満ちたうちがわ
もう刹那は過ぎて永遠
まみれた手でもいいよ

小指だけでも回収したい
虹にはなれないから、雨
泣きやみたくないのに朝

だってあの子ではないし
いつか鳥になるまではごめん
「神さまなのにわかってないなぁ」

元気でつよくて楽しそうで有限
わたしの巣穴にようこそリデル
果てなきも逃避も救いも三択式

ぜんぶをあきらめたらそのときは
逆流しつつある運命には頸骨が
心中したいの代わりに告げる

このかたちで良ければお返しします
かつて傷たりえた火は埋まることなく
六月よ褪せてくれ、十月に死にたくない

夏庭に匿う
伸ばしたさきの左手
正しく底がある水槽

いいえ私が落としたのは毒ですよ
いまは小鳥だからと言い訳させて
泳げますし、もう傘はいりません

楽園から降る致死の雨

やめて私をあけないで
エンドロール・ベール
唇にしかできないこと
秘密も抱かぬ鍵なんて
月面まで迎えにいくよ

凍え夜の月舟であれ
似せ火も暮れる仄冬
欺し緒に惑う事勿れ
明り途には赤蝋垂る
逆さ鏡が亡春を映す

迷妄発、屑籠行チケット
十二月の落ちこぼれを飼う
もし運命がわたしを許しても
星を飲んだのに光ってくれない
ちいさな水槽に匿ってあげようか

わたしを知らない物語
もう一度読み返せばきっと結末も変わってくれる
欠けても満ちてもおなじ名前で
君の瞳を手に入れた
睦言よりも歌をください

人形であれば愛してくれますか
輪郭も名前もなくなって季節だけが残って
パーティも切り抜けば僕と貴方のツーショットになる
「手袋忘れた」「今日は冷えるね」「(手を繋いでもいい?)」
瞳から宝石、舌には刃、君は君に似合うものでできている

サイズの合わない言葉を羽織って
君の理想のそっくりさん
37℃の苦い酒
手で触れるのも目を合わすのもきっと痛い
要るなら欲しいとちゃんと言え

嘘でもよいのにお前ときたら
いつかでいい、今じゃなければそれでいい
追いかけてくれたらずっと逃げていられる
鼠は秒針をかじる生きもの
わたしをいいかえてみただけなのに

文字も青ざめる便りが届く
閉じても塞いでも光は光であるということ
スペードにも心臓があるときいたので
死のない国へ続く道
暮れては夏殺し

カクテルグラスで閉じこめて
泣きたいから海にいこうか
青星食べた鯨のゆくえ
遠くで綻ぶより隣で枯れてほしい
旅の終わりに咲くという

鯨もねむる午後でした
蜜の滴るひとすくい
蝙蝠傘が隠した一花
アスファルトと縫い影
わたしを満たす半分の世界

一針でいいのに春より遠い
停めたらずっと凍えていられる
三千綴じた一行目
さみしさとやくそくのはくせい
春には赤い棺がほしい

稲妻の串刺しと薄星のオードブル
落星砂漠
空と水に小指があれば
一夜嵐に名を許す
おまえの海に星はない

真白に喰われてもまだ
禁忌は私をゆるすだろう
伝うしずくを褒美と呼ぶ
欠落に触れよと申されますか
優しくしたいし食べてしまいたい

すべて悪魔のせいにして
いずれもさよならにはちがいない
牢獄に隠した左手
水底風果て世界の終わり
捨て台詞みたいに大事に大事に仕舞っておいて

二秒だけなら海も止めよう
青くないなら咲いてはいけない
きらいときれいの乱反射
月揺れ夜に雫落つ
恋と遭わない方の道

ましてや秋なわけもなく
忘失リボンで結ばれた
紙魚棲む仮宿
「NOT」で掬え
あちらの後悔からになります

青空くらい造っておくれ
今日も秋です明日は春です
あなたも膿んでしまうのですね
入道雲をグラスに盛って
最初はミルクを飲みたいだけだった

ただのうそだよおまじないなんかじゃないよ
ちちんぷいぷい、あの子になあれ
手帳に描いた赤いまる、その翌日のおはなし
兄弟になんかなれやしないぞ
欲しかったものだけ集めてできたガラクタ

澄みゆく夜長を停められず
春の朧を乞うても未だ
黄昏詰めて満ちた月
伝う雫に冬を諦め
要らない方のお城

最初の裏切り者として
化石になってしまえばおなじ
ぜんぶまぼろしだといってください
限られた永遠をめくる
あなたが夢ならわたしは幻となりましょう

鍵穴に棲む獣
貴方につまづくための靴
虫が蜜になるまでぼくら
一葉のモノクロでさえぎこちない
瞳からこぼれるのが光でありますように

青いだけの夜がありまして

影も隠れていないいない
風も月もうそばかり
逆さまごっこを始めよう
迷子の君を先頭に
お前が夜明けなわけがない

火を追う才能
春の指揮者
銀のインクでも涙は書けない
迷子はいつだって逃げていた
言葉繰りの糸人形

数ある孤独
冬が僕らを縛るので
あれから夢をみない
億光年を見る眼球
君がいなくなったという便り

仄かが一つ火を揺らす
わたし役のあなた
掌がふたつあるせいで
聖と死を天秤にかけて
怜悧の刃をそっと包む

瞬きを切り取る悪魔
どうせ同じなら物騒を選ぶ
爛漫さえもぼくを嗤う
目を離すとすぐころす
空欄には名前があった

春と秋の色でできてる
理想の階段は目裏にある
罪でないなら何故雨が
ほんとうは知りたくないのかもしれない
水乞うくらいなら渇いておしまい

ルールにだって黄金はありますのに
向けられた背に人差し指で
思い出せないならそのまま逃がしてやりなさい
この水が甘いと誰に聞いた
だからわたしに拾われるといい

紙も活字も食べるもの
ナンセンスの墓場
改行にすべてを籠める
かつて140だったもの
音符が降る、五線譜で弾ける

さみしがり屋は手も繋げずに
0と1があの子を拒む
小指でいいんだ
見つけた星を砕いてまわる
もし、あなたは獏では御座いませんか

水たまりはあの子の涙だ、踏んでしまえ蹴ってしまえ
今日の私はすこし正直になりすぎた
見ているだけでは枯れてしまう
だれか鸚鵡をつれてきて
おいで、あいしてあげる

明日になれない
椿を知るまえに
万華鏡が降る
君の欠片としての指輪
春降る夜