Rule

▼セットお題ですが抜き出してくださっても。

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【7題】あなたがきらい

あの人の支えになれるところ
泣くとこ見せてくれないところ
ただの冗談だと言い切ったところ
我慢してないって本気で言うところ
厳しいくせに優しくもあるところ
ラブもライクも信じないところ
言ったらぜったい驚くところ

【12題】もしここに来てくれたなら

もうトドメはいらない
したかったことしよう
ココアも苦いというの
子どもみたいって笑う
逃げないようにするね
きれいになってく右手
手拍子だけでも踊れる
くれた名前も返すから
0点だと叱ってくれる
たのしいよ痛くないよ
流す音楽は君が決めて
楽園になってしまった

たとえばの異界

ただの魔法だ奇跡じゃない
遠くに橋が架かるという噂
エンデみたいなオルゴール
薔薇いろほどけて冬になる
脳と目と口、あとは捨てて
凍てつく国のやさしい零度
回廊と回廊をむすぶ赤い糸
いつか砕ける思い出の宝石

魔法使いになる

まぼろしならあそこに立ってる
炎よりも光よりも孤独のままで
嘘だと笑ってほしい真実なんて
使いの者には言えた祝福の言葉
輝きを失ってもなお永遠だから
違和の怪物なら背中に飼ってる
似ているでしょう本物なんだよ
謎をあつかうような仕事ですね
累月が来るたび霞みますように

ぼくの怪物

ぼやけて滲んでやっと青春
苦し紛れに四季を過ごした
野晒しを愛した案山子の夢
佳日が春を変えてしまった
胃の中に閉じ込めておいて
文学が私の存在を肯定する
綴るだけなら雨でもできた

2022 HappyHalloween「奈落にある食べもの」

謎かけよりも返事がこわい
ランドルト環とは別の方向
靴下をさげるのはまだ早い
似ている他人ならよかった
明日摘むはずの花をもいで
ルルルララと踊っておくれ
太陽つぶして三日月刺して
別離用のフルコース2人前
物語が煮詰まったらひと匙
のけものとけだものときみ

君のことが大好きだ、君のことが大好きだ。

絆なんてと照れることもなく
3つ目の恋はこの子にあげた
残り一月分のやさしいを造る
小鳥をながめるように触れた
ところでそのプリンはなに?
がっかりしたふりがヘタだね
抱っこしてもいいよ券くれた
いっぱいあるけどまだひみつ
住むには居心地が良すぎてね
きらいきらいやだすききらい
抱っこ券なんて今使っちゃえ

きまっていたよお願いごとは
みんなの中にはもちろん君も
ノーコメントとドヤ顔セット
転がって足もバタバタさせて
とっくに知られてたとばかり
我慢の限界もういいでしょ!
だめですまだ耐えられますよ
いいからさ認めてくんない?
すきになりたくないだけです
きっと来年もおなじこと言う
大好きって百年後に認めるね

2017年365題[途中]

Set log

百題:すべての檻は君のため

Happy Halloween 2021「世界の終わり」

背骨が柘榴をつらぬいて
可不可の法廷に火はふたつ
いまを最後のことときと喚ぶ
脳には義眼ひとつでよろしいか
尾のある御使い、駆ける黒白
和解も許可も貴方がくれる
倫理包んで真夜のシルク

君という幸いに

きみが愛せなかった白夜の名残
水をあげて陽にあてたらその次は
とびきりのエルピスはポケットの底
一緒に燃えてしまうのはどうだろう?
うずめても光ってたつつんでも凍えてた
攫ってほしい、しあわせよりも遠くへ
いまはまだ、平等しか知らない天秤
わたしも貴方も祈っていいはずで
いつかの幽霊があしたを指さす
似ている誰かであるとしても

ひらいてみせてほしかった
歯車ひとつくださいな
分解と増殖

とどけないしうけとらない
旅にでたっていう設定
理解の欠片

ずるいよいっこもくれないくせに
欲しがり屋のカレンダー
六月なんていらない

雨の象徴として濁ってほしい
霧は必ず火を隠す生きもの
残した影に口はいらない
夜と歌とを分ける役目
似た水を生きてきた
芸術とカメレオン

青と黄色に分かれるぼくら
傷口を奇跡で覆って剥がす
のたうつものおぼれるもの
世迷いを導く月光はいつも
二匹の蛇にも言えないこと
劇団員のスクラップブック

痣になるまであまくあまく
綺麗な指だから人形でいて
脳でも心臓でもないくせに
幼稚な望みではありますが
煮詰めた鍋の底にしかない
幻惑まで捨てたら何も何も

お前が勝手に信じただけだ、お前だけのストーリーだ
やめてくれよ、涙に意味なんかあるわけないだろ
素晴らしい最高のデッドエンドだ、主役は誰だ?
みんなみんなでまかせだよ、懲りずにまた信じたのかい

さよならもさみしいもおなじことです
微熱でできた百年でもいい
花に心を与えてはいけない
泣きしずくも錆びたころ

89題 もしもの話

「まだ自分を悪魔だと思っているの」

番人のための火はふたつ
この心臓が偽物でもお前は憎んでくれるのか
つめたいさむい椅子がある
喉に鏡の破片が刺さってしまって
蹂躙も傲慢もなにもかもが借り物でした

「君を赤で造る」

この醜悪で君を導く
眠りたくない夜に会おう
鴉であれば縊ったものを
「君が棄てた方の神様さ」
頭蓋に匿うことしかできない
どうかぼくのこころもたべてください

もう捨ててもいいかい

妄執は足裏に貼りついていた
現に夢に鏡の奥に
全ての偽りを攫ってゆこう
丁寧に慎重に、私は貴方を否定する
手つかずの領域を赦したりしないで
もっと上手な理由が見つかってからにしよう
入れてくれ、ひとりで苦しいよりふたりで死のう
意味なんていらない、理由なんてほしくない
枷も鍵も無数にある
いいえ、私が棄てたのはあの日であり貴方ではありません

ならば食らってやろう

懐かぬ犬は好い馳走
羅針は我が独裁を指し示し
馬鹿げた真実より美しくも脆い詭弁こそを
縊るだけの価値がお前の首にあるのか
羅列した愛の言葉と、塗り潰した一行を
ついておいで、お前のための獄がある
適切な薔薇と不義理な小指
優しくしよう愛してやろうそれが罰になると云うなら
露悪で醜い私の仮面
憂いだけでも盗みたかった

優しくて正しいはずの世界

やめてください、そんな顔をしないでください
ささやかでつつましいものをよろこべというのでしょう
静かに、ひとつずつ、確かに、この手にありました
苦しいですか、かなしいですか、わたしもです
手を離すことができないのはちゃんと理由があります
たったひとつ、ふたつとない、そう、たったひとつだけの
だけれど貴方はわたしにくださるというのですね
しあわせだと笑ってあげましょうか
言い逃れです、ぜんぶ嘘です、だから信じないでください
恥ずかしいです、貴方はわたしを知ってしまうから
ずるくてもゆるしてしまう貴方をゆるせません
野ざらしにでもしてくれたらよかったんです
正解はわたしが持っています
片方だけならあげてもいいです
今じゃないならもう、もう捨てようとおもうのです

2016年366題*誰の心臓かも知らないで

Happy Halloween 2016

毒林檎は森の奥
這う者どもが夢見た罰は
あまいしろいやさしいこわい
天秤に載せた地獄とお菓子
誰が為の眼球か
うそつき涙は蜜の味
十三階段に赤い靴
月面よりは近いらしい
お妃様が魔女になる夜
美しい仮面の条件

貴方と居ることが私への罰でした

貴 貴重な時間を無駄に過ごそう
方 方舟に貴方が乗るなら私なんて
と 永久に乞う、永遠に想う
居 居ても居なくてもよくなるように
る 流転も輪廻も意味がない
こ 後悔してないだなんてどの口が言うのです
と 隣を歩きました、貴方が躓けばよいと
が がっかりです、そんなことで喜ぶなんて
私 私の分のグラスは割って
へ へたなうそはほんとうになる
の 残せたのは枷の痕だけ
罰 罰がほしくて犯したあれは確かに失敗でした
で でも私にはこの罪に生きるしかないのです
し しかしもうそんな想いも消えそうで
た たすけてくださいあなたにしかたのめない

貴方のために咲く花がどうか火花となりますよう

あなたを刺した閃光の正体
泣月の弔い
たかが曠野で何を嘆く
残り火を恋と呼べるか
躊躇うことなく摘んだ罪

命題ならば眼窩の奥に
偽首蕾が燃えていた
さしずめ道化と云うほかなく
狂うがよいか迷うがよいか
春を縊る

亡くした夜に群がる羊
瓦礫でできた玉座に召しませ
どうせなら毒杯がいい
嘘偽りなく貴方のための白花です
神さまになってはくれませんか

標本箱に匿ってあげよう
発条仕掛けの兎が跳ねる
汝、誓い給うなかれ
ところであの獣の首は
鳴り響きたる終わりの鐘よ

隣人に触れるべからず
まします裏切り者どもへ
鈴でもつければ気付けるだろうか
夜深なる憂い花
烏有の果てで今もあなたを捜しています

お眠りなさい、光射しこむこの部屋で。
お 幼い夢に囚われて
ね 眠れずの腕の中
む 夢魔をこの手に
り 理念が月を削りゆく
な 那辺にお帰りなさい
さ 更紗で包んだ白昼夢
い 否も異物もこの手が産んだ
ひ ひなたにあの日を置いてきた
か 輝かしいのは明日だけか
り 林檎がおしえてくれたもの
さ さながら始まりの火のように
し 詩があらゆる言葉を奪ってく
こ 金色一粒飲み込んで
む 無実を編んで果実にしよう
こ ここに無いならどこを探したって無いんだ
の のどかで平和でありふれた革命
へ へたくそな口笛で誤魔化して
や 屋根裏部屋に仕舞ってあげる
で 出逢うすべてのさみしさ抱いて

君が戸を叩くその日まで
き 君さえいなければ不幸せでいられたんだ
み 耳を貸して、とっておきの嘘を贈るよ
が 蛾の集る月夜でありました
と 透明にもなれないで幽霊ごっこか
を 下ろした荷物のなんと軽いこと
た たまらず叫んだ、僕はここにいる!
た 躊躇いなく抱き返してくれた君の名前は
く くだらないしつまらないしだれにもいえないことだった
そ 育つまえに摘んでしまおう
の 覗くための穴じゃない
ひ 響いてくるはずのない靴音
ま まさかと驚いてほしいんだろ
で 出掛けよう、できることなら手でも繋いで

三回唱えて
落ちゆくときのお約束
奇跡も燃え尽きようとして
間に合うはずがないんだ、叶うわけがないんだ
どうか不幸せにどうか不幸せにどうか不幸せに
願いではなく誓いであれと

空っぽな僕に
哀しみも空しさもなくなった
ラッパでも吹こうか
繕えば裏目に出るし打ち明けたら責められる
ぽつり落とした本音も沈む
なりたい夢も昨夜の夢も
僕の影でも踏めますか
靴ズレみたいに嫌われた
似合いの蔑みをください

夢遊病の少女
つまさき触れれば光る地面
あの子もここに来ればよいのに
おやすみなさい、いってきます
あなたのいない朝なら悪夢です
好きなほうを現実と思うことにする

不眠症の男
旅を見送るだけの生活
眠る君を好きなだけ
星空なのか眩暈なのか
くるくるくらりの浮幽霊
踏み外しては深い底

化け物みたいに生きてくれ
なでてあげたらつぶれてしまった
毛皮を剥げば人間になれる
はらぺこ泣き虫
愛情とナイフとフォーク
ずっとずっとずっとずっとずっとずっとこうしていたかった

残念だ、とても残念だ
こんなに君を好きになるだなんて
たくさんプレゼントを用意したのだけど
ずっと一緒にいられると思っていたのに
これがわたしのための祝福だとでも
好きでした、でももういりません

プロローグ
さらば過日の共鳴よ
まずは手持ちの未練から灼いてしまおう
子守唄だけ道連れに
見つけたいものなんてほんとうはなかった
次の後悔まではこの後悔を愛そう

劫火
魔法はとけないから魔法なのです
ぼやけて滲んで消えてくれない
路頭に迷いあなたに迷う
四肢は求めていたけれど
逃れ火に叫ぶ
悪魔にだって神はいるのに
きれいでやわらかいものはぜんぶ食べることにした

23:59
秒針泥棒
さあガラスの靴を寄越しなさい
一秒心中

日曜日の学校
チャイムが鳴ればいつもの教室
藻浮かぶプールに波紋ひとつ
図書室でマッチをかざす
影は学びたがっていた
チョークで書かれた断末魔
校庭の声に振り向いたらさようなら

謡われるべき悲劇
魔悪を振りきれず
帽子を脱げば戻れましょう
ロストエンドシティ
詞花を手折って嘘を摘んで
脳と唇の違いを答えよ
空いて吹く風もある
幾何学模様のお便り

こぼれたミルクを飲み干して 2015ver
こ 後悔なんてできないように
ぼ ぼくからいってもいいのかな
れ 0点だからうつくしい
た 垂れ光は甘いもの
み 見つめていたらとけてしまった
る ルビを振ってももう読めない
く 屈折光の色数の分だけ
を をはるせかいで鳴り響く
の 望んでこぼしたはずなのに
み 満ちてあふれてあまさず飲んで
ほ 星消えゆくを数え数えて叶えるか
し 滴り落ちるものに手を伸ばす
て 手と手を繋いで結晶となろう

99題 綴じた世界

花に至る病
花毒が少女も染めあげて
魘された骨が鳴る
一匙の計画
影には末路を
或る人形のための葬列
綻ぶすべての色に捧ぐ

指折り日和
一度だけなら色もあげよう
海が残したふたつの音楽
三回唱えて落ちた星
いつか四季さえ止まったら
零なら欠けることもなかった

こぼれたミルクを飲み干して
こ ここでの秘密はポケットにしまって
ぼ ぼくを毎朝生かす白色
れ 冷静になってはいけないよ
た 垂れ光に目をつむる
み 見つめていたらとけてしまった
る ルービックキューブの角事件
く くるしいならいいよ、らくになるといいよ
を をはるせかいで鳴り響く
の 呪いが願いに変わるとき
み みんなで腰に手を当てて、それ!
ほ 星は消える、涙はあふれる、それでもまだ望むのかい
し してほしいこととしてあげたいこと
て 手ずから受け取ってほしいのです